新年のごあいさつ
年が革まりました。新年にあたり、この一年の主な予定や抱負を述べたいのですが、述べにくい、語れない、というのが正直な気持ちです。
コロナ禍は、ご多分に洩れず私たちの組織にも新たな問題を投げかけています。
私たちの団体は、年配者の比率が高い組織です。年配者の経験豊富な知恵は、これまで法人運営にも活かされてきたと、私も高齢者の一人としてそう思いたいです。意見が対立している人たちを年配リーダーが、共にのれんをくぐって「ま、飲みいや」と、なだめたり、調整したりしてきたのかも知れません。しかし、今やこのような年配者の活躍の場は失われました。
理事会などの会合は、急速に通信が主体となりました。多くの年配者にとって活躍しにくい手法です。パソコンやスマホなどの通信機器類の操作性の問題と合わせて、文化の違いもあるように思います。年配者の多くは、元来あらたまった場での発言や自己主張を抑制する文化を持ち、いわゆる電磁的会議には馴染めず、居心地が悪そうです。コロナ禍において、視覚障がい者の組織は、在り方やリーダー要件を問われています。
視覚障がい者の場合、障がいの特性として、多くの年配者がパソコンやスマホは苦手です。目が見えている人には何でもないZOOMの操作ひとつでも、目が見えない・見えにくい人たちにとっては結構面倒なのです。面倒でも苦手でも、震災や風水害などの緊急時を含め、これからのリーダーは通信スキルで速やかな意思決定や意見の集約をしなければなりません。コロナ禍で、この問題が前面に出てきたように思います。
今、私たちには新たなリーダーの要件として、具体には通信スキルが求められているのです。実はこのことは、障がいの特性と相まって年配者の構成比率が高い私たち視覚障がい者の組織にとっては、極めて深刻な問題なのです。
この一年、まず、この課題から取り組みたいと願っています。
令和3年 元旦
一般社団法人 大阪市視覚障害者福祉協会
会長 川越 利信(かわごえ としのぶ)
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