要望書 2021
1.橋下(はしもと)元市長が明言された、大阪市所有施設の空スペースを活用した障がい者の総合福祉センターの設置については、「現在のところ設置予定はないが、今後とも検討する。」との昨年度ご回答いただいたが、現在の検討状況について教示するとともに、その検討にあたっては、広く市内の障がい者団体の意見を聴取するよう要望する。
2.来年3月に策定される大阪市障がい者支援計画の中間見直し・第6期大阪市障がい者福祉計画および第2期障がい児福祉計画の着実な実行を要望する。
また、国においては、「新しい生活様式」の下での地域生活支援を推進していることから、障がい者の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え、今後より一層、市内に居住する障がい児・者が、住み慣れた地域で安心・安全に暮し続けられるような施策構築と地域生活支援拠点を各区に1か所以上整備するなどの施設整備の実現を要望する。
3.障がいがある人もない人も共に暮らしていきやすい街づくりを推進していくために、大阪市においても、市内居住の障がい者が参加する検討委員会を設置し、障がい者差別解消条例を制定するよう要望する。
また、障がい者についての理解をより深化させるための「あいサポート運動」等の研修を、市職員はもとより、市民や市内教育機関・企業・団体にも、さらに充実したものとして積極的に実施することを要望する。
4.収束の見えないコロナ禍で、障がい者が得られる情報が極めて不足している状況も踏まえ、厚生労働省の来年度予算概算要求に、今年6月に公布された電話リレーサービス法、同じく7月に策定された読書バリアフリー基本計画を踏まえた要求がなされていることに鑑み、手話や点字などの障がい者のコミュニケーション手段をより一層保障するよう努めるとともに、法律に基づく聴覚障がい者情報提供施設の設置と情報通信ネットワークの一層の充実を要望する。
また、国における手話教育や日常生活における手話によるコミュニケーションを保障する手話言語法の制定に向けて、より一層働きかけを行うとともに、大阪市こころを結ぶ手話言語条例に明記された施策の推進方針に基づき、手話通訳者の養成事業ならびに同派遣事業のさらなる充実を要望する。
5.コロナ禍の中、就労継続支援事業所においては取引先からの作業の受注量の減少、出張販売の中止などで収益が大変厳しい状況にある。このため、「障害者優先調達法」に基づき、同施設等の受注拡大ならびに発注価格の増額等に努められることを要望する。
また、就労状況が悪化する中、改正された「障害者雇用促進法」の理念を踏まえ、大阪市が率先して法定雇用率を大きく上回る障がい者雇用を行うとともに、その就労環境整備や就労意欲の涵養など就労継続にも意を用いられるよう要望する。
6.障がい者の住みよい街づくりを実現するため、新バリアフリー法の基づく整備に努められたい。特に昨年度に大阪メトロ全駅での可動式ホーム柵設置については、2025年度までに実施との回答をいただいたが、この間も全国でホーム落下事故が発生していることから、前倒しで実施するよう要望する。
また、「歩行時間延長信号機用小型送信機」に対応した音響式信号機、ならびに公的機関の出入口に設置されている「音声標識ガイドシステム」の設置個所を増やすよう要望する。
7.災害時に障がい者が速やかに安全な場所に避難でき、かつ、コロナ禍で感染が危惧される中、避難所においても適切な対応が受けられるよう、全市域で避難訓練や予めの福祉避難所への登録などの事前準備等を行うことを要望する。
8.障がい者にとって社会参加の重要な機会である障がい者スポーツの発展充実ならびに、東京パラリンピック開催後のパラスポーツのさらなる振興のため、老朽化した長居障がい者スポーツセンターの建て替え等を要望する。
9.長年住み慣れた地域で住み続けることは、大阪市域に居住するすべての障がい者の願いであるが、国の示しているグループホームの設置基準では、定員数について1つの建物への入居を最大20名としている。大阪市でもグループホームの整備促進の観点より、国基準での設置を認めるよう要望する。
10. 障がいのある人が新型コロナウイルス感染症に罹患した際には、障がいの軽重を問わず、
適切な医療や支援を受けることができる体制整備を要望する。
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