一般財団法人 大阪市身体障害者団体協議会

要 望 書

1. 橋下元市長が私どもの前で明言された、大阪市所有施設の空きスペースを活用した障 がい者の総合福祉センターの設置については、前年度、現時点で設置予定は無いとのご回答でしたが、小学校の統廃合等が進み空き施設等も見受けられる中、現在の検討状況を教えていただくとともに、設置を検討する段階で広く市内の障がい者団体等の意見を聴取するよう要望いたします。

2. 市内に居住する働く障がい者が「重度訪問介護サービス利用者等職場介助助成金」や 「重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金」を利用できるよう、大阪市においても「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を実施するよう要望いたします。
また、大阪市において設けられている視覚障がい者の移動支援同行援護の時間制限を緩和して、社会参加の機会を確保するよう要望いたします。

3. 今般のコロナ禍において、ワクチン接種申込情報やその他関連情報を得ることが障がい者にとって著しく困難であったことから、国における読書バリアフリー法施行や今年7月からの電話リレーサービスの公共インフラとしての開始を受けて、手話や点字、要約筆記等の障がい者のコミュニケーション手段のより一層の確保に努めるとともに、デジタル庁発足に象徴されるデジタル化社会に対応するため、デジタルディバイドを当事者団体の意見を踏まえて解消を図られるよう要望いたします。
合わせてここ数年、設置予定が無いとの回答が続いている「聴覚障がい者情報提供施設」の設置について改めて強く要望いたします。
また、大阪市や区役所ならびに関係機関、団体が開催する講演会、研修会等には要約筆記を付けるとともに、行政窓口等の各種手続きにおいても要約筆記の派遣をおこない、難聴者の「聞く権利」と「社会参加」をさらに進めるよう要望いたします。

4. 今年3月に策定された「大阪市障がい者支援計画・第6期障がい者福祉計画・第2期障がい児福祉計画」を着実に実行するよう要望いたします。
また、国においては施設から地域への移行が進められていることを注視しつつ、障がい者の高齢化や障がいの重度化および「親亡き後」に対応すべく、より一層、市内に住む障がい者サービスを必要とする障がい者・児が、住み慣れた地域で安心・安全に暮らし続けていけるよう、施策構築と施設整備をおこなうよう要望いたします。

5. 今回、東京パラリンピックが開催されたことによって、障がい者にとって社会参加の 重要な契機ともなるパラスポーツの認知度がかってないほど高まっていること、また、2025デフリンピックの東京への招致活動が本格化し、デフスポーツへの関心も高まっていることから、それらの更なる振興・発展のため、また、障がい者の自立促進のため、老朽化した長居障がい者スポーツセンターは、廃止ではなく絶対に建て替えてくださるよう要望いたします。

6. 近年自然災害が多発していることから、災害時に障がい者が速やかに安全な場所に避 難できるよう、予めその経路を調査し、実際に当事者を含めた避難訓練を市内全域でおこなうよう要望いたします。
また、電動車いすや音声パソコン等、避難所生活においてそれらを使用する障がい者にとって電源の確保は必須のものとなっています。大阪市において公用車の更新に当たっては、電気自動車の導入を積極的に図られ、災害時にはそれを避難所に配備することによって電源確保をするよう要望いたします。

7. コロナ禍において就労状況が悪化する中、今年3月から障がい者の法定雇用率が引き上げられたことを受け、大阪市が率先してこれを大きく上回る雇用をおこなうとともに、障がい者にとっての働きやすい職場環境への改善や就労意欲の涵養に取り組むよう要望いたします。
合わせて、就労支援継続事業所についてはコロナ後を見据えて、「障害者優先調達法」に基づく同施設等の受注拡大ならびに発注価格の増額等に、単に前年度を上回るだけでなく、それ以上の目標を掲げて大阪市の「調達方針」として策定するよう要望いたします。
また、同法を活用して大阪市本庁や区役所等で視覚障がい者による三療業の実施および大阪市の電話業務に変わる視覚障がい者の職域確保として、大阪市総合コールセンターや水道局お客さまセンター等、大阪市がコールセンター業務を民間業者に委託する際に、視覚障がい者等を雇用することという文言を仕様書に記載していただけるよう要望いたします。
成年後見制度については、事務手続きの煩雑さや利用料についての様々な意見もあることから、それが改善と広報周知に大阪市として関係機関・団体と連携して努めるよう要望いたします。

8. 今年4月から、すべての民間事業者にも合理的配慮を義務付けた、「大阪府障がい者差別解消条例」が一部改正され施行されていますが、これが市民、事業者および市職員への周知啓発に努めるよう要望いたします。
また、施行期日は定まっていないものの国において「障害者差別解消法改正法」も成立していることから、大阪市としてこの事前周知と広報を図るとともに相談体制の強化、充実を図るよう要望いたします。

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