一般財団法人 大阪市身体障害者団体協議会

要望書

1.障がい者に関わる大阪市の計画策定や施策実施ならびに建設等の工事については、大阪市が許認可を有するもの含めて、広く市内の障がい者団体等の当事者意見を聴取しておこなうとともに、事業者にも指導するよう要望する。

2.大阪市所有施設の空きスペースを活用した障がい者の総合福祉センターの設置並びに、今年5月に施行実施されている「障害者による情報の取得及び意思疎通に係る施策の推進に関する法律」の大阪市における拠点としての「情報提供施設」の設置を要望する。また、手話通訳者、手話奉仕員、点訳奉仕員及び要約筆記者などの人材養成等の経費の確保増額と施策の更なる充実を要望する。さらに、大阪市や区役所ならびに関係する機関、団体が発出する文書等に、希望があれ ば点字表記をおこなうとともに、それ等が開催する講演会、研修会、会議や行政窓口等での手続きに手話通訳者や要約筆記者の派遣をおこなうよう要望する。

3.「大阪市障がい者支援計画・第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画」の着実な実行を要望するとともに、今年9月に出された国連障害者権利委員会の対日審査における勧告を踏まえた国の動向を注視しつつ、現行の大阪市の施策について点検、検証した上で、より一層、市内に住む障がい者・児が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていける施策構築をおこなうよう要望する。また、グループホームの開設設置に公営住宅の利用拡大を合わせて要望する。

4.昨年4月より、すべての事業者に合理的配慮の提供を義務化した「大阪府障がい者差別解消条例」が施行されており、また、今年度中に国における「障害者差別解消法改正法」の基本方針も閣議決定される見込みであって、内閣府からも同改正法の施行実施日までの周知啓発活動実施が示されていることから、大阪市としても事業者に対する事前周知を積極的におこなうよう要望する。また、同改正法施行後に増加が予測される市内での相談・紛争解決の体制強化と充実を早急に図られるよう合わせて要望する。

5.自然災害が多発かつ被害も甚大化する中、各地で高齢者等避難や避難指示も度々出されている状況を前提として、障がい当事者も参加する各種防災訓練を実施し、避難場所への各自にとっての安全かつ速やかな避難に結び付くよう、災害時避難行動要支援者の個別避難計画を予め設定するよう要望する。また、避難指示等が解除された後にも停電や断水が長期化する事例もあることから、これらに対応する事前の訓練もおこなうよう要望する。

6.昨年より実施されている「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」についてはある程度利用はあるものの、大阪市として更なる周知広報をおこない重度障がい者の就業支援を推し進めるよう要望する。また、視覚障がい者の移動支援同行援護の時間制限の緩和についても、引き続き要望する。

7.障害者雇用促進法における法定雇用率については、2018年の改訂の際に定められた5年間の猶予期間が終了し、2023年4月1日から本則に則った雇用率への改訂が予定されていることから、大阪市が率先してこれを大きく上回る雇用をおこなうとともに、その環境整備や就労継続にも意を用いるよう要望する。また、コロナ禍において社会に定着した在宅勤務や短時間就労での障がい者雇用についても研究をおこない、大阪市として多様な働き方による障がい者の社会参加を推進していくよう要望する。合わせて最近の諸物価高騰の折から、大阪市として就労支援事業所への「障害者優先調達法」に基づく受注拡大のみならず、その発注価格にも特段の配意を要望するとともに、複数年での委託契約している業務において物価高により運営が厳しくなっている場合には、例えば国からの臨時交付金を活用するなどで委託金額の増額等柔軟に対応するよう要望する。

8.東京パラリンピックが昨年開催されたことによりパラスポーツの認知度が高まり、また、先日2025年のデフリンピックが東京で開催されることが決定された中、これ等の動きを一過性のものとさせず今後に繋げていくためにも、障がい者の社会参加への大切な第一歩ともなるパラスポーツの啓発普及に大阪市としてさらに努めるよう要望する。なお、長居障がい者スポーツセンターについては、この間私どもが建て替えを要望してきたものが、先だっての戦略会議において建て替えが決定されたことから、大阪発のパラスポーツの拠点として、また、象徴としてふさわしいものとするよう要望する。

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