新年のごあいさつ
新年明けましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
防災対策、終の棲家、就労、高齢化と世代交代など、解決を要するたくさんの重要課題があります。中でも防災対策と終の棲家は、待ったなしの問題です。本年も、このような課題に根気よく取り組んでいきたいと願っています。
阪神・淡路大地震から30年です。平成7年(1995年)1月17日のことでした。あの時の恐怖、あの時の状況を忘れることは出来ません。視覚障がいの仲間を18人も失いました。支援活動をしながら、二度とこんな経験はしたくない、そう思いました。しかし、平成23年(2011年)3月11日、昼下がり、マグニチュード9.0という観測史上最大規模の巨大地震に襲われました。東日本大震災です。
私たち日本の歴史は、三陸沖地震や南海トラフ地震など、地震の歴史とも言えます。報道によると日々、全国が揺れています。大阪に住む私たちは、特に南海トラフ地震が気がかりです。令和6年8月8日に発生したマグニチュード7.1の日向灘地震の際、巨大地震注意(南海トラフ地震臨時情報)が初めて発出されました。以来、テレビ・新聞は、地震・水害に対する情報を頻繁に報道するようになりました。
視覚障がい者の組織である本会は、目が見える一般社会の人々と同じように防災対策は適用できません。独自に考え、社会の理解と支援を得たいと希望しております。私たち自身、防災セミナーを頻繁に行い、可能な限りの備えをしていきたいと考えています。
視覚障がい者の多くは、盲老人ホームに入居することを望んでいます。しかし、大阪市には1か所も盲老人ホームがなく、仕方なく特別養護老人ホーム、いわゆる「特養」に入居せざるを得ない状況です。目が見えない・見えにくい人びとは仕方なく、視覚障がい者の特性に対する認識が希薄なスタッフが多い施設で不自由な生活を強いられ寂しい晩年を送らざるを得ない人達が少なくありません。視覚障がい者の終の棲家問題は大事な課題です。
令和7年 元旦
一般社団法人 大阪市視覚障害者福祉協会
会長 川越 利信
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